いつも大変遅くなってしまい申し訳ございませんm(__)m。3月のお知らせです。
毎年恒例ですがこの時期は予防のご案内となります。毎年予防している方も、ごちゃごちゃしてよくわからなくなってしまう方も多く、今年もこの記事でおさらいしてください。
なお、例年3~6月頃までは犬も猫も予防シーズン到来となるため、当院のような小さな病院でも混みあう時期となります。特に土曜日は終日、平日でも午前は混みあいますのでご注意ください。予約を上手に活用していただきスキマ時間にご来院いただければと思います。
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春の予防のご案内<完全版?>
さて、犬猫とも予防のシーズンがやってきました。今回は各種予防のご案内を過去のブログ記事などを用い、まとめ記事<完全版?>といたします(ホントに完全かわからないので?つけてます)。
ワンちゃんでは
- 狂犬病予防
- フィラリア予防
- ノミやマダニの予防
ネコちゃんでは
- フィラリア予防
- ノミやマダニの予防
それぞれについて広く浅く解説します。解説の足りない部位は過去ブログ記事やお役立ちページのリンクを貼り付けますのでそちらもぜひご覧ください。
犬の狂犬病予防
狂犬病予防は数ある予防の中で、唯一の義務となっています。原則すべての犬は接種を受ける必要が有ります。
狂犬病のことを詳しく知りたい方は過去記事をどうぞ!
人類史上最も危険な伝染病の一つが狂犬病です。犬を飼う方にはぜひ知っておいて欲しい知識となります。
狂犬病の接種時期は毎年4~6月末となります。「一年後」ではありませんのでご注意を。この辺の間違えやすいポイントも過去ブログで解説しています。
当院では常に注射の準備をしています。ご予約の上ご来院ください。なお、必要な費用は以下の通りです。
- 注射料金 ¥2950(税込)→注射料金はクレジットやpaypayでの支払いが可能です。
- 注射済手続費用 ¥550(非課税)→このお金は当院が一時的にお預かりして後日市に納めます。必ず現金でご用意ください。
犬のフィラリア予防
フィラリアは心臓~肺の血管に住み着く寄生虫です。「蚊」が媒介する(運んでくる)有名な病気ですね。犬を飼う多くの方がご存知で、名前を聞いたことが無い人はほとんどいないと思います。
しかし、細かい予防のメカニズムは意外と複雑で、特に「いつからいつまで予防したらいいの?」という質問はとても多いです。そして自己流の解釈で予防をしている人もたくさんいらっしゃいます。
まず結論から。
この地域のフィラリア予防開始は5月下旬~となります。
フィラリアは
- 暖かくなったら感染する
- 蚊が出たらすぐに感染する
ということは起こりません。寄生虫と言うのは成長サイクルがとても独特で、色々な条件が整わないと成長や感染力を持たないのです。細かい話は専門的なので割愛しますが、フィラリアが感染力を発揮するのは気候条件が整ってからなので、蚊が出て「しばらく後」になります。そして、これも過去に何度も解説してきましたが、フィラリア予防と言うのは「感染したフィラリア幼虫を駆虫」してるので「感染開始後しばらくしてから」投薬開始となります。
このように、科学的な諸条件を鑑みて予防期間が決まっているのです。よくわからないという方は、当院が推奨する予防期間を守っていただければ問題ありません。
フィラリア予防について詳しく解説した過去記事もご覧ください。
フィラリア予防ご希望の場合、フィラリア予防開始前には「フィラリア抗原検査」が必要です。身体検査と血液を一滴採らせていただきます。フィラリア抗原検査は10分ほどで結果が出ます。予防開始前(5月末ごろまで)に検査にご来院ください。
また、恒例の春の健康診断キャンペーンも開催中!フィラリア検査と同時の採血の場合は「健診費用が¥4,000(+税)」とお得になります。毎年、健診の希望者が増えています。この機会にぜひご検討ください。
犬のマダニやノミの予防
マダニやノミは緑の多いところだとそこら中に存在する虫たちで、自宅でのお庭や日常の散歩でも簡単に感染してしまいます。マダニやノミは危険な伝染病を運んでくる「病気の運び屋」です。犬では「犬のバベシア症」、ヒトでは「SFTS」や「日本紅斑熱」などで死亡例が多数報告されています。マダニ媒介の新種の病気が次々発見されたりなど、毎年被害は増大傾向と言えます。
マダニの恐ろしさについては過去ブログを
最近の報道記事をいくつか貼り付けておきます。
さて、予防期間ですが「マダニやノミは一年を通してリスクがある」ため被害のない時期はありません。ですので、基本は「通年予防」を強く推奨しています。
特に今年もそうですが、近年は温暖化の影響か冬も暖かい日が多く、この時期の被害も意外と多く報告されています。
なぜか「フィラリア予防と同じ予防期間」と勘違いされている方がメチャクチャ多いのですが、違う虫、違う病気ですから当たり前ですが、予防期間も違います。
予防時期については過去記事を
マダニやノミ予防などの間違えやすいポイント解説(2023年5月)
フィラリア予防は上述の通り5月末からですが、この時期はすでにノミやマダニは猛威を振るっています。例年3月から被害が増えますが、今年は12~1月にもノミの被害で来院された方もいました。しっかり予防したい人は「通年予防」をご検討ください。
猫のフィラリア予防
フィラリアは犬で有名な病気ですが、猫にも感染し、そして猫の方が緊急になりやすい病気として知られています。
猫のフィラリアについてはZoetisさんのHPもご覧ください。
フィラリアは日本名は「犬糸状虫」といわれ、犬の病気として有名です。フィラリアは犬の体内がとても「居心地が良い」ので、ワンコをやたら痛めつけることはなくのんびり成長します。フィラリアの寄生がごく少数なら犬は無症状のことも多く、フィラリアの寿命まで犬と共存することも珍しくありません。フィラリアは「寄生」虫ですから、自分のおうち=ワンコが死んでしまったらフィラリアも困るのですね。
しかし、フィラリアにとって猫の体内は犬の体内のように「居心地が良い」場所ではありません。フィラリアにとって猫は本来の住み家ではないのです。そのため、猫の体内にフィラリアが侵入すると猫の自衛隊(免疫系)が強い反応を示します。この反応が猫ちゃんにとって大きなマイナスとなり、場合によっては突然死などを引き起こすとされています。
つまり、猫は犬よりも激しい症状を示す可能性がある分、むしろしっかり予防してほしい存在と言えます。ある調査では、猫の一割が感染していたという報告もあります。
予防はカンタンですから、いつでもご相談ください。
猫の場合は犬と違い事前の血液検査は必要ありません。猫ちゃんの体重がわかれば処方可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
猫のマダニやノミの予防
外出する猫の場合、マダニやノミ予防は必須です。
特にマダニ媒介感染症のSFTS(重症熱性血小板減少症候群)は猫に対する感受性が高く、猫自身がキケンなだけでなく、感染した猫を世話したヒトも甚大な被害を受けています。
犬のマダニ予防と同様のものですが最近の報道記事をいくつか貼り付けておきます。
数年前、SFTSに罹患した猫を診察した動物病院スタッフ(獣医師、看護師)がSFTSに感染し、生死をさまよう被害を受けたという話を聞きました。
みなさん、動物が大好きなので気持ちはわかるのですが、安易に野良猫を保護しようとか世話しようとすると、本当に自分の命がキケンに及ぶことがあります。どうしてもと言う場合はグローブをする、なるべく触らず行政に相談するなどの手段をご検討ください。
話は逸れましたが、マダニやノミが運んでくる病気は本当に危険なので、外出する猫ちゃんの場合は必ず予防するようお願いいたします。
家猫で、一切外出しない猫ちゃんの場合はマダニ被害は起こりにくいですが「ノミ」の被害は無視できません。
室内飼いなのになぜ猫にノミがつく?<MSDanimalhelth解説記事>
「ノミ」は身軽で何かに付着して室内に持ち込まれたり、お庭から侵入したり、外出はしなくても日向ぼっこをしたり、などで知らずのうちに家の中に侵入しているケースがあります。そして猫ちゃんの血液を吸血しタマゴを産みます。タマゴがサナギ、そして幼虫となり、新しいノミ成虫が大量に出てきます。ノミも少数だと気づきにくいし、タマゴやさなぎは眼で見えません。そのため「いつの間にか大量発生していた」なんてことも珍しくありません。中には、猫がノミだらけなのに気づいていない患者さんもいらっしゃいます。
「ウソだろ~」と思うかもしれませんが、家から出ない猫なのに「家じゅうがノミだらけ」「猫ちゃんの体もノミだらけ」と言うのは、動物病院業界では結構あるあるです。一度、室内に侵入し感染サイクルが造られてしまうと、完全に排除するのが結構大変なんですね。おそらく「家の猫だから」予防をしてない、ノミのことなんて考えもしていない、という油断でこうなるのかなと思います。
このように、家から出ないネコちゃんでもノミの被害はぜんぜんあり得ると思っておいてください。フィラリアも家から出ない子でも感染しますので、フィラリアと同時に念のためノミも予防する方が増えています。この両者は一つのお薬で予防可能なので、どうせならまとめて予防しておきましょう。