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犬のアトピーに対する痒み止めとして、新たに「ゼンレリア錠」を導入
犬のアトピーは最も一般的な皮膚病で、当院でも多くの患者さんが通院されています。
アトピーのコントロールや痒み止めのお話は、過去に何度かしてきました。特に当院推奨の「スキンケア」はアトピーにおける最重要オプションの一つです。下にいくつか過去記事を貼り付けておきますので、良ければご覧ください。
さて、今回、犬のアトピーに対する痒み止めのお薬として、新しく「ゼンレリア錠」を導入いたしましたのでご紹介いたします。
新しい痒み止め「ゼンレリア錠」
現在、当院で主に使用しているアトピーに対する痒み止めとしては
- アポキル錠
- サイトポイント注射
があります。
今回新しく導入した「ゼンレリア錠」は「アポキル錠」に近いものとなります。最も大きな差は投薬回数です。「アポキル錠」が1日2回の投薬が基本であるのに対し、「ゼンレリア錠」は1日1回の投薬が基本となります。
「ゼンレリア錠」は単純に投薬回数が少なく済むということになります。
アポキル錠との比較と使い分け
では、どのようなケースで「ゼンレリア錠」の投薬を検討するのが良いのでしょうか?
ゼンレリア錠の使用を検討するケース
- アポキル錠を1日2回飲まないとコントロールできないケース
→この場合「ゼンレリア錠」に変更することで投薬回数を減らし、コストも減らせる可能性があります。
- アポキル錠の効きがイマイチと感じるケース
→ゼンレリア錠はアポキル錠と同じ系統の薬ですが、細かな作用機序は異なるため「ゼンレリア錠」に変更したときに、より症状が抑えらえる可能性があります。
- アポキル錠の使用頻度をさらに減らしてみたいケース
→すでにアポキル錠が1日2回以下でもOKだよ、というワンコでも「ゼンレリア錠」に変更することで、もっと投薬頻度を減らせる可能性があります。
逆に、すでにアポキル錠がよく効いていて、かつ投与回数も十分減らせているケース(1日1回以下)ではあえて「ゼンレリア錠」に変更する必要はないかもしれません。
コスト面については、当院では「アポキル錠が1日2回必要」な患者さんであれば「ゼンレリア錠を1日1回」に変更することで、少しコストが下がる設定となっています。
なお、アポキル錠、ゼンレリア錠ともに元々高価格のお薬であるのに加え、アポキル錠についてはこの数年で複数回のメーカー値上げもしており、当院もギリギリの価格設定となっていました💦。そのため、この1月からアポキル錠の処方価を少しですが値上げをさせていただいています。大変申し訳ございませんm(__)m
アポキル錠の使用状況にもよりますが、「少しでも低コストで!」ということであれば、一度「ゼンレリア錠」を検討するのも良いかもしれません。
サイトポイント注射
さて、「投薬がそもそも苦手!」と言うワンコとご家族向けに「サイトポイント注射」を今一度ご紹介しておきます。
「サイトポイント注射」は一か月に一回注射をするだけで、アトピーによる痒みをしっかり抑えてくれるお薬です。
「一か月も効くなんてなんだか強そうな薬だな・・・」と思われるかもせれませんが、抗体医薬と言う分類のお薬で、安全性はかなり高いことがわかっています。
当院でも、もうずいぶん長く使用していますが、目立った副作用もなく、ご家族からは「しっかりと痒みが抑えられている」と高評価をいただくことが多いいお薬です。
アポキル錠やゼンレリア錠とは作用機序が異なるため、サイトポイント注射の方がよく効く、ということも珍しくありません(ただし、その逆でアポキル錠の方がよく効くということもあります)。
当院のスタッフのワンコも定期的にサイトポイント注射を打っていますが、アポキル錠を投薬していた頃よりも、非常に効果的に痒みのコントロールができています。
- 投薬が苦手
- アポキル錠の効果がイマイチ
などの場合には、私もご家族に「サイトポイント注射」の提案をするようにしています。疑問や質問があればいつでもスタッフに聞いてみてください。
まとめ
今回は、アトピーに対する痒み止めとして、新たに「ゼンレリア錠」を導入したことをご報告しました。
メインの痒み止めとして使われている「アポキル錠」との大きな違いはその使用頻度です。「ゼンレリア錠」の方が投薬回数が少なくて済むというのが最大の特徴。
患者さんによっては「ゼンレリア錠」の方が良い、というケースもあると思っていますので、私の方からご提案させていただくかもしれません。
いつも同じ話でしつこいと思いますが、犬のアトピーは、上手に痒み止めのお薬を使いながら、効果的にスキンケアを行い、なるべく各お薬の投薬頻度を減らすのが目標となります。
そのため、アトピーとお付き合いするにあたって、アポキル錠やゼンレリア錠などの「痒み止め」はどうしても必須のアイテムとなります。その仲間が一つ増えたことで、さらに選択肢が増えました。
当院でもワンちゃんのためになるべく良い選択をご提示できるようにしますので、ご家族においては、くどいようですが「スキンケア」、ぜひ頑張ってください!
それでは!