【重要】アニコム損保ご利用の皆様へ

アニコム損保の窓口清算のシステムにおいて一部変更があります!

現在、当院で窓口清算対応中の保険は「アニコム損保」のみです。

 

窓口清算とは?

  • 動物病院で診療後、診療費が確定
  • アニコム損保の保険証をご提示いただき、動物病院が「仮」の保険処理を実施
  • 飼主様は、所定の自己負担分のみを動物病院へお支払い
  • 保険会社負担分の診療費については、後日、保険会社から動物病院に振込

この一連の流れが、ペット保険における「窓口清算」というシステムです。ちなみに、動物病院が行うのはあくまで「仮の」保険処理であり、のちにアニコム損保が改めて保険審査を実施し、それをもって最終的な保険利用が確定します。つまり、実際は飼主様に診療費をお支払いいただく段階では保健利用は未だ確定していないのです!

 

さて、今回アニコム損保から、全国の動物病院に対して、以下のような保険運用上の変更が通達されました。

2026年8月1日(土)以降のレセプト請求分より、保険金のお支払い前に上記内容(※病院側の保険処理の手違いのこと)が確認された場合には、当該項目を除いた金額のみを病院様へお支払いいたします。 つきましては、こちらで生じる差額分は、病院様から飼い主様へご請求いただきたくお願い申し上げます。  ~アニコム損保の資料より抜粋~

 

つまり「保険処理の手違いにより発生した診療費の差額を飼主様にご請求する場合、請求の主体がアニコム損保→動物病院に変更になる」ということです。

 

そのため、今後アニコム損保ご利用の患者様においては、保険利用後に、動物病院から診療費の差額のご請求が来る可能性がありますのでご了承ください(保険処理に問題がなければ当然このようなことはありません)。

 

ここからは「イマイチよくわからない」という方に対して、例を挙げながら解説いたします。興味のない方は読み飛ばしでOKです。

窓口清算のモデルケース

例えば、20,000円の診療費に対して、動物病院で仮の保険処理を行った結果、

  • 診療費 20,000円
  • 飼主様負担 10,000円
  • アニコム損保負担 10,000円

となったケースを例に、話を進めてみましょう。

この場合、動物病院では飼主様から10,000円をお支払いいただきます。残りの診療費、つまりアニコム損保負担分の10,000円は、後日動物病院に振り込まれることになります。

 

さて、動物病院で行っている保険処理というのはあくまで「仮」のものです。これは本当に重要なポイントなんですが、そもそも保険が使えるかどうか?保険適応かどうかは?などは、超当たり前ですが「保険会社が判断すること」というか「保険会社の最重要業務=本業」なんですよね。アニコム損保も後日レセプトをチェックし、最終的な保険審査を実施します。

 

問題になるのは、動物病院が仮で行った保険処理と、アニコム損保の保険審査の間に「食い違いがあった場合」です。要は、動物病院側は保険処理とした診療項目が、アニコム損保側が保険適応じゃないよ、そう判定をしたときに問題が生じるわけです。

 

保険会社が最終的な保険審査をした結果

  • 診療費 20,000円
  • 飼主様負担 13,000円 (※つまり差額の3,000円は未払いの状況)
  • アニコム損保負担 7,000円

このようにアニコム損保が双方の負担料金を変更し、それを後々になって指摘してくるわけですね。

 

実際に動物病院に支払われているのは、飼主様からの10,000円+保険会社からの7000円ですから、差額の3,000円、これが未払い料金の扱いとなるわけです。今までこのようなケースでは、アニコム損保が直接飼主様に差額分を請求していました。しかしこの飼主様への請求を「2026年8月1日からは動物病院が請求してね」といきなり通達してきたわけです。

 

ご理解いただけましたでしょうか?以上が今回の変更点です。つまり、今後は「診療後しばらくたって、動物病院から保険処理についての差額請求があるかもしれない」そのようにご認識ください。本意ではありませんが、動物病院側もどうにもしようがありません。

 

なお、ペット保険についての「全体的な話」は過去ブログで何度も取り上げてきました。ぜひこちらもご覧ください。窓口清算についても詳しく解説しています。

6月のお知らせ <ペット保険Q&A>

1月のお知らせ  <ペット保険について>

「ペット保険」のお話。

 

 

 

ここからは「アニコム損保」と「窓口清算」についての院長の個人的な不満を述べていきます。口が悪くなりますので、不快に思う方もいるかもしれません、興味のない方はここで離脱してください。

 

窓口清算は不自然で異常なシステム

そもそも論、この「窓口清算」というシステム自体がめちゃくちゃおかしいんですね。

保険業において「保険適応の判定」というのは保険会社が行う大事な業務、本業です。

 

本業ですよ本業。

 

まずもって、その本業を動物病院に丸投げしているわけです。

 

飼主さんもほとんどの人が「保険適応の判定は動物病院がするものだ」と思い込んでいると思います。

 

違いますからね!

 

保険適応の判定は、保険会社の業務です。アニコムは「損保」ですから、他の損害保険会社と同じですよ。よく比較されますが、国民皆保険制度でお医者さんが保険判定することとは全くもってぜんっぜん違います。窓口清算というシステムは「こういう保険商品があったらより売れるだろう」と「国保のまねごと」をしてるだけで、ただ単に企業の販売戦略上のシステムです。

 

動物病院が仮の保険処理後、アニコム損保が最終的な保険審査をしますが、動物病院に最初の保険処理を肩代わりさせることで、本業である保険審査を簡略化しているんですね、要は楽したいと。月初にレセプトを送信すると、前月分のアニコム損保負担分は一週間ぐらいで動物病院に入金されるため、個人的な印象ではこの期間で全レセプトの詳細チェックはできないでしょ?と思っています。AIを使って怪しい請求をピックアップし、差額請求があるかどうかを判定してるかと思います、まあ、あくまで個人的な感想ですが。

 

窓口清算対応ではないペット保険会社では、飼主様から送られてきた保険金の請求書類を全て、しっかりとチェックしているはずです。そうでないと、保険金の支払いができませんからね。まあこれが、保険会社として当たり前の業務ですけどね。

 

「動物病院側が間違えずに仮の保険処理をすればいいのでは?」と思われる方もいるかもしれません。しかし、われわれはアニコム損保の人間ではありませんので。保険処理は「アニコム損保が勝手に作ったルール」にのっとってやるわけで、その全てのルールを詳細に把握するのは無理ですし、そもそも忙しい診療の合間で、飼主さんも会計を「はやく!」と待っていますので、アニコム損保側が望むような「完璧な保険処理」はできないですよ。多少、悪意のない食い違いやミスが出ることは致し方ないシステムでしょうし、アニコム損保は楽してるんだから、それぐらい織り込むべきことだと思いますけどね。

 

そして、債権回収業務の丸投げへ・・・

そして今回の運用変更。口悪く言えば「未収金の回収、動物病院お前らがやれよ、ウチ面倒だから」ってことです。

 

本業の保険処理を丸投げしておいて、さらに債権回収、今度はそれも動物病院に丸投げ。

 

正直、動物病院側は、メリットが一つもありません。煩雑な事務仕事がどんどん増えることになります。債権の回収というのはメンタル的にも辛いんですよ。飼主さんだって、ずいぶん前のこといきなり言われたらびっくりですよ。さらに、しばらく前に終わっている診療のことですから、差額をいただくときも「どのように診療明細の処理をするか?」「売上の計上はいつにするのか?」など、病院経営や税務上の問題点も多いのですが、アニコム損保側は「その辺は動物病院のお好きになさってください」という丸投げ姿勢を貫いています。

 

アニコム損保の歴史

アニコムの今までのことをちょっとお話してみます。

 

アニコムは最初は共済でした。私が獣医学科卒業後、すぐに勤めさせていただいた動物病院の院長先生が、実はアニコムの立ち上げ期から協力していた方でしたので、最初のころの様子を知っています。当初は「飼主さんにとっても動物病院にとっても良いものを作り上げようという」姿勢があったように感じました。

 

その後、アニコムは損保の免許をとり「アニコム損害保険」となりました。このころから、保険内容の改悪が目立つようになり、飼主さんからも「保険の継続ができない」「急に保険料がものすごく高くなった」など、たくさんの不満の声を聴くようになりましたね。今思うと「この頃からおかしな会社になってきたな」という印象でした。

 

そして2014年に上場します。上場してからは、モロに利益至上主義となった印象です。上場企業なので業績も見れますが、2014年から売上は4倍、利益は7倍ぐらいになってます。上場してしまうと、もう目線は動物病院にも飼主様にも向きません、株主のほうを向いてますね。どうやって売上を増やし、どうやってコストを下げるか、どうやって配当金を増やすか、どうやって株価を上げるか、まあそういう経営姿勢になります。

 

また、上場後はアニコムが親会社の動物病院も開院するなど意味不明のムーブをするようになり、獣医師界隈ではこれも結構な問題になっています。さらに、よくわからないペットの検査を始めたり、とにかく利益になりそうなことは何でもする姿勢?ですかね。

 

まずは、本業をきちんとやれよ!

 

どうする?窓口清算

今回の件で、当院も窓口清算対応をどうするか、よく考える必要があるなと考えています。

 

ひとまずは、どの程度このような差額金の回収案件が発生するか、しばらく様子を確認します。正直、一件でもあると事務仕事が相当大変になるだろうなと予想されます。

 

差額金の回収などが思いのほか多く、病院の業務に支障が出るようなレベルでトラブルが頻発する場合は「アニコム損保」の窓口清算対応を終了することも検討しています。正直、そもそも窓口清算は動物病院側には一ミリもメリットがないシステムです。飼主様は「保険申請がないのでラク」と思うかもしれませんが、しばらくたってから、いちいち差額を請求されたりするのも気分がよくないと思います。

 

私の仲の良い獣医師も、アニコム損保や窓口清算についてはすでに昔から不満が溜まりまくっていますが、今回のハナシを機に本格的に「窓口やめようか・・・」と考えている人間が増えていますね。

 

ちょっと調べたところ、すでに今回の2026年8月からの運用変更をきっかけとして、窓口清算対応をやめる病院も出ているようです。

 

 

ここ数年、動物病院の「アニコム損保」に対する不満も限界まで来ているような気がします。近々、窓口清算というものが終わる時代が来るかもしれません。それぐらい不自然で歪んだシステムです。保険会社はまずは本業をしっかりやれ!

 

とまあ、最後はアニコム損保と窓口清算に対する悪口だけになってしまいましたが、ここまで読んでいただいた方、長くお付き合いありがとうございましたm(__)m

 

さて、ペット保険全体的なお話にについては過去ブログで何度も取り上げてきました。ぜひこちらもどうぞ。

6月のお知らせ <ペット保険Q&A>

1月のお知らせ  <ペット保険について>

「ペット保険」のお話。

正直、院長はペット保険不要派ですが、保険加入自体は自由です。ただ「窓口清算対応」ということを基準に選ぶのはやめたほうがいいです。保険を選ぶなら、補償内容で選んでくださいね。