こんにちは、院長です。久々の、セミナー参加報告です。
言い訳じゃないですが、参加報告は久々ですけど、セミナーは積極的に参加していますよ(笑)
今回のテーマは、整形外科領域の手術の一つ、「大腿骨頭切除術」です。講師はスーパー外科医の中島尚志先生。
(↑中島先生のセミナーはいつも満員御礼なんです↑)
当院でも時々実施する手術です。今回は「正しい骨頭切除」がメインのお話しでした。中島先生によると「多くの動物病院でやられている手術だが正しく実施している病院は1~2割程度」とのこと💦
実は少し前に、ちょうどこの手術を当院でも実施していたので、中島先生に術後X線を採点してもらい「及第点、再オペは必要なし」とのアドバイスを頂いたばかりでした。で、今回のセミナーで大腿骨頭切除術について改めて勉強です!
さて、「大腿骨頭切除術」とはどんな手術なのか?説明をしていきましょう。
手術の内容はその名の通りで、股関節を形成する大腿骨頭を切除してしまう手術です。
↑黒丸が骨頭切除をした場所↑
「え~、、、そんな大事そうなところ切ってだいじょうぶなの~~???」
という声が聞こえてきそうですね・・・。
モチロン、めったやたらと切るわけではありません。
この手術は、「股関節の救済措置」の意味合いで行う手術なんですね。
正しい手術を実施できれば、手術した脚は約7割程度のパフォーマンス(能力)を発揮できるとされています。
ですので、股関節のトラブルを抱えていて、股関節がメチャクチャ痛いとか、脚を着くことができないとか、筋肉も細くなってしまっているなどなど、さまざまな問題が出ており、かつ、それがもう戻せない時。そして、7割程度の能力が発揮できれば生活の質が良くなるだろうと思われるときに、このオペの実施対象となります。
もし人間であれば、股関節への人工関節手術の適用になるんだと思います。
実は、犬でも股関節の人工関節手術があるにはあるのですが、非常に難しい手術のため、信頼できる一部の病院やドクターに依頼することになります。人工関節の場合は、9割程度のパフォーマンスを発揮できるそうです。
超大型犬、非常に活動性の高いワンちゃん、競技志向のワンちゃん、などであれば人工関節手術の方が良いと思います。
しかし、一般的なワンちゃんや猫ちゃんが日常生活に支障のないレベルを目指すのであれば、大腿骨頭切除術でも目的を達成できるケースが多いので、こちらのオペを実施する機会が多いのですね。
ただし!すべての整形外科疾患に言えることですが、
- 体重管理→適正体重への減量。
- 運動管理→適度な運動をする。大きい負荷の運動は避ける。
この2つが実施できないと良いケアができません。特に体重管理は超重要で、肥満が関節障害の一要因となっている場合は減量ができないと何をやってもムダになります(-_-;)
わたしも、診察の際「体重が増えてますね~」とか、体重についてのお話をよくするのですが(いちいちうるさいなあと思われてるかも?)、体重を増やしすぎないようにしていただきたいのは、こういう理由があっての事なんです。比較的若いうちはいいかもしれませんが、お年を取ってから、あっちが~、こっちが~と痛くなったり・・・、手術が必要だったり・・・大変な思いをするのは、そう!他ならぬあなたの愛犬愛猫ですよ!
どうか肝に銘じておいてくださいね♬
※もう一つのよくある整形外科疾患「十字靭帯病」についてはコチラをご覧ください!
それでは。