2月になりました。まだまだ冬、寒い!と思っている方も多いと思いますが、2月後半からは急に気温が上昇するタイミングがあり、3月は寒暖差が激しくなります。そのため、意外かもしれませんがダニやノミの被害が急増する季節でもあります。予防が未だの方は油断せずに早めの予防を心がけましょう。フィラリアは5月末ですから「その時までいいや」と思っていると被害に遭ってしまいますよ!
2/25(土) 臨時休診
2/25(土)を臨時休診とさせていただきます。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。
※その他、日曜祝日が当院の定休診です。2月後半にお休みが多く大変申し訳ございませんが、ご留意いただけますと幸いです。
- 2/23(木祝)→休診
- 2/24(金)→通常診療
- 2/25(土)→臨時休診
- 2/26(日)→休診
P.S. 休診案内などはLINEが便利!
臨時休診などの案内はLINE@が便利です。画像のように看板犬マルちゃんがお知らせ!まだの方はぜひご登録ください。
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予防のスケジュールをおさらい(あっという間に春が来ます!)
まだまだ寒くて冬真っただ中、という印象の方が多いでしょうが、春は意外とすぐそこ。
2月も後半からは気温上昇がみられる日も出てくるのでマダニやノミの被害が意外とみられるようになります。3月以降、狂犬病やフィラリア予防と続きますので、ここでは簡単に予防のスケジュールをおさらいしておきます
マダニ・ノミ→もうスタートでOK
マダニやノミの予防は通年予防でもOKです。冬は被害が減りますが、ゼロではありません。上述のように2月後半からは意外と気温が上昇し、油断していると簡単に咬みつかれてしまいます。フィラリアまでは何もしない、と言う方も多いので、2~3月と言うのは割と被害が多いのです。当院ではアクティブなワンちゃん、猫ちゃんでは通年予防をおススメしており、多くの方が通年予防をするようになってきました。まだの方は油断なく、早めの予防をご検討ください。
狂犬病→4月にお知らせが来たら速やかに
狂犬病予防は法律で定められた義務となっています。予防の時期も法律で決められています。具体的には4~6月に接種することになっています。
登録済みのご家庭には、4月に「市からのお知らせ」が来ますので、その後速やかに接種を終わらせましょう。なお、前年度にどんなタイミングに接種していても4月の接種としてください。例を挙げるとこんな感じ↓
× 2022年は10月に接種→2023年も10月に接種
○ 2022年は10月に接種→2023年は4月に接種
接種間隔が短縮することは何も問題はありません。
なお、当院ではいつでも接種ができる準備をしています。お気軽にお申し付けください。
フィラリア→5月末からお薬スタート、それまでに検査を
フィラリアはまだ少し先です。投薬開始は5月末で十分。それまでにフィラリア検査を受けてください。
詳しくは、当院ご利用の皆様に3月中にDMをお送りいたします。ご不明点はお気軽にお問い合わせください。
治らない!? 外耳炎のお話し
今回は「犬の外耳炎」についてのお話です。どの動物病院でも相談が1,2位を争う多さとなっています。
なぜ多いかと言うと
- 患者の数が多い→あたりまえですね(笑)
- 繰り返しやすい→ここが重要なポイント
ということが理由です。
なぜ繰り返すのか?なぜ治らないのか?今回はこの辺を中心に外耳炎について解説します。結論としては自宅でのケアがポイントになるのですが・・・詳しくはぜひ続きをご覧ください。
外耳炎とは?
外耳で炎症が起きている状況を表す言葉ですね。前回の膀胱炎の記事でも同様のことをお話ししましたが、○○炎と言うのは病名と言うよりは状況を表したコトバです。
外耳とは?
みなさんが見える耳の部分から鼓膜までの間を外耳と呼びます。イメージで言うと地下鉄の入り口(耳の穴)から階段(垂直耳道)を降りて、地下道(水平耳道)を歩いて、改札口(鼓膜)までと言う感じです→余計わかりずらかったらすいません。
炎症とは?
(膀胱炎の時にもお話ししましたが)病理学的には炎症とは「発赤、疼痛、掻痒、腫脹、機能障害」などを示す状況とされています。まあ難しいんで、腫れたり、赤くなったり、痒くなったり、痛くなったりしている状況と思ってください。身体を守っている炎症細胞(自衛隊)が外敵(細菌やウイルス)と戦っている状況が炎症のよくある理由ですが、炎症細胞が過剰反応してしまうパターン(アレルギー)やどうでもいいものを敵とみなして攻撃してしまうパターン(肉芽腫)もあります(※一般の方向けの記載です)。
外耳炎はなぜ起こる?
外耳炎が起こる理由は一言で言うとその子の「体質」と思ってください。なりやすい子が繰り返します。逆に言えば、ならない子は一生のうちに一回もならない、そういうトラブルです。一度外耳炎を経験すると、分泌腺のバランスが変化するなど、耳の変化は悪い方向へと向かい、この変化は不可逆(戻らない)とされています。「悪い時期→ちょっと良い時期→無症状に近い良い時期」を繰り返しますが、真の意味で治ることがなく、必ず繰り返し進行していきます。
さて、外耳炎の理由については「体質」と一言で片づけてしまいましたが、様々な要因が「体質」に含まれます。
- 耳の構造(分泌腺の数やバランス、軟骨組織の質)
- 耳道内の毛量
- 耳道壁の代謝(角化)
- アレルギー(アトピーや食物アレルギー)
(※その他、湿度や気温などの物理的要因、異物や腫瘍の存在なども外耳炎の理由になります)
上記に上げた、耳の構造やアレルギーなどの問題は、残念ながらどれも根本解決が難しいものです。根本的な要因がそのままですので「一度良くなったように思えても同じコが何度も繰り返す」ということになるのです。
外耳炎の治療の目的と目標
ココから治療のハナシですが、まず、重要なのは治療の目的と目標です。
外耳炎治療の目的・目標
治療の目的は「長期的に炎症がないもしくは軽い状況をキープすること」です。そうすることで、耳が腫れ続けることを阻止します。
逆に慢性的に炎症が続いてしまうと耳の腫れはどんどん取れなくなり、最終的には耳の穴が無い「耳道狭窄」と言う状態に陥ります。最初にも述べましたが、外耳炎は進行性のトラブルです。耳道狭窄はもはや外科疾患で、耳道切開という外科手術適応の状況です。実際は、耳道狭窄になってからオペではなく「なりそうな段階でオペ」するのが理想ですが・・・、いずれにしろ外科疾患、つまり皆さんが嫌いな(笑)手術が必要な病態なのです。
結論を言うと、目的は腫れを抑え耳道狭窄にならないようにする、目標はオペが必要な耳にならないようにする、となります。どうしても繰り返すトラブルですから、治すこと(=何もしないでも、もう二度と再発しない)を目標にしてはいけません。
外耳炎の治療(急性期)
治療です。まずはひどい場合・急性期の対応を見ていきます。
抗生物質
耳漏が酷く、明らかな細菌感染や真菌(マラセチア)感染を伴っていれば使用します。ただ、細菌やマラセチアは平常状態の耳の中にもフツーに存在している常在菌という存在ですから必ずしも抗生物質が必要と言うわけではありません。いろんな条件が重なり、これらが増えすぎてしまうと外耳炎の症状が助長されます。増えすぎた病原体はいったんは抑えたほうが犬も楽なので、状況によっては抗生物質を使用することになります。
なお、抗生物質はやみくもに長期使用することはなく、ある一定期間、細菌やマラセチアの数を減らす目的で使用します。
ステロイド
腫れや痛みがひどい場合に使用します。まあだいたいひどい場合には腫れや痛みもひどいので使用することになります。ステロイドは外用(点耳薬)と内服どちらも使用することがあります。耳の炎症はとにかく早く抑えるのがポイント(耳道狭窄を防ぐ)なので、急性期は躊躇なくステロイドを使用する必要が有ります。
「ステロイド」と聞くと中には毛嫌いする方もいるのですが、要は使い方です。もちろん長期的にダラダラ使用するのはよくありませんが、短期的に痛みや腫れをしっかりと抑えるのには非常に役に立つお薬です。
耳掃除は必要?
モチロン汚れは多いよりも少ないほうが有利なので、ある程度の掃除(汚れの除去)は有効です。しかし、ピカピカにする必要はありませんし、炎症がひどい時の掃除のやりすぎはむしろ悪化因子になることもあります。ひどい時・急性期は強い痛みを伴っていることが多く、犬も処置も嫌がることがほどんど。まずは抗生物質やステロイドの投薬を優先する必要があります。
- 耳が痒い・腫れている→だから治療
- なかなか外耳炎が治りません
- また外耳炎になりました。
- 診断が間違ってる
- 治療が間違ってる
- そもそも治る病気ではない
- もし、今まだ子犬や若いワンちゃんであれば、今のうちにお互いが、少しづつ耳を触ること・触られることに慣れるようにしておくことをお勧めします(無理矢理はダメ!)。
- もし、すでに成犬で外耳炎を繰り返してる場合は、まずしっかりとした投薬が必要です。そして、少しづつ、一歩ずつ時間はかかりますが自宅ケアができるレベルに持っていきましょう。
- もし、すでに耳道狭窄に陥っている場合、この場合は外科疾患、オペが必要な状況の可能性があります。場合によって二次診療施設で詳しく見てもらう必要が有ります。