【第3話】病院の猫がリンパ腫になりました。


「なこ」の検査その①~血液検査~

 

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まず「なこ」の近況ですが、抗がん治療の副作用もなく、順調に経過中です。応援いただいている皆様、ありがとうございますm(__)m

 

第3話からは、病気を疑った「なこ」に実施した「精密検査」を具体的に説明していきます。

今回は「血液検査」です。誰でもご存知ですよね。みなさんも一度ぐらいは受けたことがあるでしょう。当院では院内の機械(↓写真)で、一般的な血液検査をすることができます。

血球計算器 白血球や赤血球の数を調べる
左から 血液凝固系検査、電解質検査、一般生化学検査を実施する器械

 

早速ですが「なこ」に実施した血液検査結果はこちら!

スクリーニング検査では院内で可能な基本的な血液検査は全て実施

いろいろと数字が出ていますね…。細かいことは専門的なので気にしなくてOKです。

さて、、、「なこ」は「リンパ腫」でしたね(忘れてしまっているかもしれませんが)。

 

この血液検査結果のどこに「リンパ腫」とかいてあるでしょうか??

と、数字をみわたしても、まあ当たり前ですが「リンパ腫」とはどこにも書いてありません。血液検査”だけ”を実施してもリンパ腫かどうかはわからないのです(※ヒトでは血液中の腫瘍マーカー検査で、数字から腫瘍を疑う検査がありますが、あくまでも発見や診断の手がかりであり、これだけで確定診断ができるものではありません!)

 

ということは、

 

「猫がグワイが悪い」→「とりあえず血液検査を実施」→「大丈夫だから様子見ようか」

 

というストーリーの場合は「リンパ腫」を見落としてしまうかもしれないわけです。

 

ようは、前回から再三お話ししていますが、

「一つだけの検査で病気を診断することはできないし、してもいけない。時に重大な病気を見落とすことがある。」

ということが言いたいのです。これは「血液だけ」だからダメというわけではなく「X線検査だけ」とか「超音波検査だけ」とかでも同じです。すべての検査はお互いに補完して成り立っています。

じゃあ、血液検査の意味ないじゃん。と思われる方もいるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。

  • 体液バランスの状況(水分やミネラルバランス)
  • 血球数(貧血が無いか?など)
  • 一部の内臓の機能(腎機能、肝機能など)
  • 代謝の状況(脂質、ミネラル)
  • 体内での炎症の状況(白血球やCRP)

などの評価は血液検査の得意分野で「数字」で評価をしていきます。ただ、何かの病気の確定診断をするための検査ではないということなのです。

 

話を「なこ」に戻しましょう。

結果を言うと、「なこ」の場合は血液検査上には大きな異常は見当たりませんでした。これまでの話から分かると思いますが、モチロンこれでヨシ!とするのではなく、他の検査を組み合わせて評価しますので、同時に画像検査へと進みます。

さて、次回はその画像検査(X線検査と超音波検査)のお話です。いよいよ「なこ」のリンパ腫が少しづつ見えてきます。。。

不定期更新で申し訳ございませんが、次の更新をお待ちください。。。

(つづく)→【第4話 病院の猫がリンパ腫になりました。~「なこ」の検査その② 画像検査~】